ブログー2024年
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建設業界見晴台 この一年を振り返る
2024-12-31
昨年末にブログで書いたことが現実味を帯びてきました。大手ゼネコンは別として中小の建設業者のこの先の受注見通しに警戒感が拡がってきています。高騰建築工事費と施主希望価格の極端な乖離が一向に改善されません。建築工事費上昇分に見合う発注者・消費者側の収入上昇がないので忙しかった設備投資・不動産投資の雲行きもさすがに怪しくなってきています。また一般建築需要は冷めたままの状態が続いています。2025年は中小建設業者受注減による苦境が可能性でなく現実となりそうです。
建築工事費が高過ぎ設備投資に規模縮小・増改築に変更・見合わせが拡がっています。 分譲マンション・建売住宅も実需層が買えず買っているのは富裕層・法人・海外等が主となっています。投資用住宅もこれまでつくった物件が埋まらないのに更につくり続けています。住宅を実需層が買えない、投資不動産が入居者で埋まらない…儲けるつもりでこれらに手を出しても買ってくれる人・借りてくれる人がいなければ金儲けの目論見は結局失敗となります。借入依存であれば大損をするか破綻となります。
一般建築需要が高騰建築工事費で冷え込んできた状態の救世主だった民間設備投資・投資不動産の勢いが失せれば需要不足が表面化してきます。公共工事・修繕工事だけでこれらの需要不足の穴埋めをすることは不可能です。賃貸住宅・貸ビルなどの収益性建築は採算性が全く合わず資産・自己資金がなければ実現できません。現状の分譲マンション・建売住宅の値段は実需層一般庶民では手が届きません。このままでは民間建築を新築したり購入できるのは富裕層・法人・海外などに自ずと限定されます。
世界的にも同様の現象が起きています。欧米などのインフレは日本よりも酷く一般庶民が物価上昇に追いつけず家も持てなくなってきています。消費が低迷し新築住宅が売れず新築賃貸が埋まらず需要が冷え込めば供給側に変化が起きるのが必然。世界経済を牽引してきた中国経済の悪化で世界経済需給バランスが崩れ始めインフレ一辺倒の流れに変化の兆しが出てきています。余剰マネーと極一部の富裕層に翻弄され続けてきた異常インフレ経済下庶民の不満・怒りが政治の変化ももたらし始めています。
