ブログ−2010年
卯建(うだつ)と建築基準法防火壁
2010-10-08
これは名古屋市緑区有松町地内にある旧東海道沿いで撮った写真です。左側が有松の町並みの代表的建造物である井桁屋さんで、右側が少し西方にある小塚家の卯建を判り易く拡大して撮った写真です。有松では1784年(天明4年)の大火で殆どの建物が焼失してから、それまでの茅葺屋根から瓦葺・塗籠造の耐火構造に造り替えられ現在の様な建物になりました。建物そのものの耐火性を高めると共に、さらに隣家からの出火による類焼を防ぐ為に考えられたのがこの卯建なのです。ご先祖の時代より既に火災に対する高い防災意識があったと言うことになります。江戸時代中期頃には卯建の装飾的意味合が増し費用が掛かるようになったことから「うだつが上がらない」の語源になっていることは周知のとおりです。東海地方ではこの有松町の他に岐阜県美濃市・三重県関市の町並みに多くの卯建が現存しています。