ブログ−2010年
久里屋設計界隈散策−その4 月心寺
2010-09-24
当社から北北東へ約520mの位置にあり、基幹バスが走っている出来町通のすぐ南側の一本入った筋にあります。香流保育園のグラウンドと園舎の間を通って奥の石段を上ったところにあります。すぐ東隣に神明社があります。創始年月日は不詳ですが、曹洞宗のお寺で寛文2年(1662年)に東春日井郡大永寺の末寺となり、現在地に禅宗伽藍を建立したとのこと。現在の建物は鉄筋コンクリート造で昭和45〜61年に新築・改築され、山門だけが以前の形のままとのことで昔を偲ぶことができます。ご本尊は釈迦如来立像ですが、境内の西側には観音堂があり十一面観音立像が安置されています。この観音様は「蓬莱の観音」として江戸時代以前よりこの辺りにあったと伝えられ明治になってからここへ移されたとのこと。
またこの観音様は城東三十三番観世音の二十番札所ともなっています。そして、この像は18年に一度だけご開帳する慣わしとなっているそうです。観音堂の南側に「従是西南御留場」と書かれた石碑が立っています。この碑はもともと矢田川左岸の堤防上に立てられていたものが移設されたもので、かって矢田川と香流川の合流点辺りの広大な河原に尾張藩の大砲の演習場があったので立入り禁止の立て札に使われていたものだそうです。弁天堂の西側にも馬頭観音があり、本堂裏手には歴住塔(歴代住職の墓塔)が並んでいます。なお、本堂正面右手側には名古屋市の指定保存樹のクスノキが大きく拡がっています。また隣の神明社と併せた境内は昔猪子石城(天白植田城横地家分家の横地秀次居城)のあったところです。