ブログー2021年
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融資が付けば不動産投資はうまく行くのか?
2021-04-30
昨年コロナ緊急融資で潤った金融機関が不動産投資融資について慎重になってきたことは以前ご紹介した通りです。しかし4月15日の日経新聞朝刊掲載の変貌不動産市場2の記事に日銀発表で個人貸家業向け新規融資額が20年10~12月期に約4年ぶりに前年同期比プラスに転じたとあります。前年同期が低いレベルかも知れませんがこの期はプラスに転じたと言うことです。コロナ緊急融資による融資額大量確保は主に2020年度中のこと…その後はコロナ不況でそんなによい融資先がないことからでしょう。
日本のみならず世界中で大規模な金融緩和で溢れ返ったマネーが行き場を求めさまよっています。まだまだコロナ感染は終息しておらず現下の不況ではよい融資先がそんなにあるとも思えず、勢い一旦慎重になった不動産投資融資も融資先がなくて窮した金融機関が考えざるを得なくなったのが融資が緩んだ真相なのでしょう。個人投資家・一般投資会社のみでなく外国の不動産投資ファンドも大規模な金融緩和マネーで積極的に動いています。もはや不動産投資はバブル状態と思って間違いありません。
投資家は少しでも利回りを得ようと必死になっています。しかしもう既に市場ニーズレベルを越えた投資不動産(過去も現在も)が巷に溢れ返っています。世界中で金融緩和バブルが起きマネーが溢れている様相です。今は需要が不動産投資を呼んでいるのではなくまず初めに不動産投資がありきと言う怖い状況です。本来マーケティングなどをして事業計画をきちんと立て資金計画に入るのが常道ですがどうやら不動産投資が先に立つ場合は事業計画がうまく行くかの周到な検討がある訳ではなさそうです。
最近つくられている投資マンションは駅近でさえあればよいと言う風潮でつくられているようです。巷で見る物件は賃貸市場を永年見てきた人間が見る限りこんな計画や間取りでよくつくるなと言う物件が目立ちます。この先供給過剰下で厳しい市場の選別を受け入居に苦戦するのは目に見えています。たとえ融資が付いたとしても当然失敗もあり得ます。 賃貸経営成功は融資が付くことではなく健全な計画であることが必要絶対条件なのです…逆に融資が付かなくても自己資金で成功する人もいる訳です。