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ブログ−2010年

陸屋根と勾配屋根

2010-06-18

 そもそも屋根とは雨露や日射を防ぎ柱や壁と一体となって屋内的空間を形成する為のものです。最初は雨から身を守る為に祖先の人々が頭上に大きな葉っぱや板切れ等を載せたりし始めたのが起源でしょうし、発生段階ではきっと屋根とか壁の区別が定かではなかったのではないのでしょうか。それが次第に屋根と壁に分化しその後さらに発展してきて今日のような形の屋根に至っているものだと思われます。古くは我が国においては縄文人や弥生人の住居の頃から屋根が存在しています。また諸外国においても発生起源やプロセスはそれほど大差なく同じようなものだと考えられます。 
 また屋根には大別すると陸屋根と勾配屋根に別れます。陸屋根とは平らな屋根のことであり、勾配屋根とは傾斜のある屋根のことです。勾配屋根の方は昔からどこの国でも見ることのできる自然発生的な形の屋根です。陸屋根の方は鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建築物等の誕生によって近代になってから発展してきた屋根の形だと考えられます。陸屋根は水勾配が極めて緩いため防水技術なくしては造れませんので、陸屋根の普及によって様々な防水技術と材料が発展してきました。
 勾配屋根には様々な形があります。切妻・片流れ・寄せ棟・方形・入母屋・マンサード・鋸・ヴォ−ルト・ドーム等色々な形の屋根が世界中に存在しています。国を問わず不思議に同じような形の屋根が存在していますが、民族・文化・気候の違いもあり微妙に異なっているのが興味深く感じられます。何れにせよ勾配を付けることによって雨水を流し落とすと言うのが共通した原理です。陸屋根の方は形状による違いは特になく、利用法の違いで歩行用か非歩行用かと言う区別があるくらいです。防水方法は大別してアスファルト防水・シート防水・塗膜防水の三つの方法があります。 
 陸屋根の建築は最上階の部屋の真夏の暑さが強烈です。陸屋根は小屋裏空間が狭い為直射日光の輻射熱が直下の部屋にまともに伝わってしまうのがその理由です。十二分な断熱設計と屋根裏換気をすることが必要です。反面勾配屋根の方は充分な小屋裏スペースが取り易く、そのことが断熱効果を発揮し陸屋根に比べて直下の部屋がかなり涼しいです。大分前から流行っている小屋裏部屋とかロフトと言うのは非居室であれば問題ないのですが、小屋裏はもともと暑さ避けとしても役に立っているスペースなのですからこれを居室と考え造るのは愚の骨頂だと言えます。さらに防水と言う観点から見ても防水材の劣化や不具合の発生により陸屋根は雨漏り発生の恐れが付いて廻ります。勾配屋根の方は同様のことが起きても雨が染み入る前に、勾配によって落ちてしまうのでまず雨漏りの心配はありません。特に屋上を何か利用すると言う必要性や目的がなければ、断熱効果・防水と言う両観点から合わせ見て勾配屋根にする方が賢明な選択肢と言えましょう。

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