建築高どうやる賃貸住宅
建築工事費高騰のため事業収支が悪化し資産家以外には銀行融資が付かずまたまともな賃貸住宅もあまり建っていません。そのため築浅でまともな家賃・つくりの物件が確実に減ってきています。どうすればそれらの物件を実現できるのでしょうか?
1. 建築工事費が高くならぬ発注方法でつくる…高ければ収益性落ち採算悪化
工事費を単純に下げるには競争原理で本来つくれるはずの価格にすること…ハウス&アパートメーカー・賃貸マンションゼネコン等の特命の設計施工一括発注でやらずに施工は一般建設会社で入札にかけるのです。その為には設計監理を施工と切り離し別々で頼む必要があります。またRC造・S造がひどく値上がりしたので値上がり率の低い木造で建てることも現実的なコストを抑制するよい方法です。
2.できるだけ自己資金を入れ借入金を圧縮…全額借入でやる時代終焉か
工事費高騰で事業収支が悪化しています。解決法はできるだけ自己資金を入れ借入金圧縮し実質利回りを上げること…返済金減らし実質収支を改善するのが最もよい方法で家賃を法外に吊り上げ収支合わせするのは論外。相続税対策目的で借入れする場合でも賃貸住宅事業自体が安全に成り立つよう計画します。とにかく借入金ありきと考えるのは危険で賃貸住宅事業で失敗すれば本末転倒になります。
3. レンタブル比高くし収益性アップ…知恵・工夫ある計画が必要
事業収支をよくするには創意工夫してレンタブル比のできるだけ高い計画にすることです。レンタブル比とは賃料の取れる専有部分面積を全体面積で割ったものです。共用廊下・共用玄関・階段・エレベーター・バルコニーなど非専有部分は賃料が取れないのでこれらの面積をできるだけ圧縮すればレンタブル比が高くなり収益性はよくなります。結果建築工事費が下がるのと同様に収益性が上がります。
4. 賃貸事業に直接必要ない費用を削ぎ落す…収益性悪化させる無駄な費用はカット
建築事業費は純粋に工事に関する費用だけにする。賃貸住宅づくりは設計監理する建築設計事務所・施工する建設会社だけあれば事足りる。賃貸住宅経験豊富な建築設計事務所・賃貸住宅施工実績多い建設会社に頼めば安心です。それ以外のディベロッパー・コンサルタント・商社・ブローカー等に頼らず余分な費用を払わぬこと…そうすれば建築工事費を含む総事業費が下がり収益性はよくなります。
5. 借上保証などに頼らない…借上保証はあてにならぬこと知るべし
賃貸経営に不安を感じ業者に借上保証を頼む人がいます。しかし収入総額から十数%を保証料で抜かれることは実質利回りを直接低下させて事業収支を悪化させます。また保証は定期メンテナンス等がセットになっていたりして必要以上の改修工事等で利益をしっかり吸い取られます。また入居率悪ければ家賃が下がって行くのが致命的…保証にすがるような計画なら最初から止めた方がよいと思います。
6. 投資マンション・アパートに手を出さぬこと…投資で簡単に儲かるほど甘くない
収益物件として賃貸住宅を検討している人は投資系賃貸住宅に手を出さぬことをお薦めします。ディベロッパー・不動産業者等が利益を載せた売価で売るので最初から利回りがその分低下します…設定家賃も割高・専有面積狭小・窮屈な間取りで住みにくく、また建っている所は空室が多い供給過剰地域に集中しています。それに手を出して賃貸住宅事業をやれば錘を付け泳ぐようなもので極めて危険。
7. 既存物件をリノベーションし再生する…新築からリノベーションへ発想の転換
既に賃貸住宅を所有している方はこれをリノベーションして再生し付加価値を高めることで新築に近い家賃で募集し直すのも一つの方法です。また所有していない方は質の良い中古物件を探し出してできるだけ安く購入した上で同様の方法を取ればよいと思います。今の高騰した新築工事費に比べれば改修工事費はかなり安く(躯体工事費がかからない)済むので事業収支を向上させることができます。