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お部屋探しの方法

住戸の形(平面)…間口/住戸が狭いのは住みにくい

 住戸の形によって使い勝手・スペースの有効性が大きく異なります。細長い住戸は無駄なスペースも多く使い勝手も悪いものが多く見受けられます。細長くなることで廊下部分が長くなったりして無駄なスペースが増えたり部屋等が使いにくい形状になったりします。反面比較的四角くて広い住戸はその逆のことが言えます。つまり一般的には同じ面積ならば細長いものよりも四角いものを選ぶ方がお得で使い易いと言うことになります。また専用部分の平面的な形が凹凸の多いものは使い勝手も悪い場合が多く、また角部屋についてはさらにその上熱効率も悪いので冷暖房費もかさみます。さらにこの凹凸部分が外壁部分にあると冬季結露も生じやすいと言う欠点にも繋がります。そう言えば以前収納部分が外部に出っ張っている形状の驚きの賃貸マンションを見たこともあります。 
 主に木造・軽量鉄骨造で造られている低層賃貸住宅の物件では、最近住戸内に内階段のあるメゾネットタイプのものが結構増えています。このタイプのものは階段部分でかなり広いスペースが割かれます。面積の広い一戸建ての住宅ならいざ知らず、限られたスペースで住まなくてはいけない賃貸住宅としてはあまり賢明な選択とは思えません。せっかく共用階段が造れるのですから、何も専用住戸内にスペースを狭くしてまで内階段を造ることはないと思います。一般的には低層賃貸住宅は木造・軽量鉄骨造で造られるものが多いので、必然これ等の造りは遮音性に弱点が生じ易く階上・隣接住戸の音で問題が生じているものが結構あり、これを解決する方法としてメゾネットタイプや階段を挟むニ戸一(にこいち)住戸が考えられるようになってきた…そもそもこれがメゾネットタイプが増えてきた要因だと推察されます。裏を返せば木造・軽量鉄骨造賃貸住宅は遮音性に問題があることを吐露しているようなものなのかも知れません。

間取り(プラン)…間取り呼称に騙されない(面積でチェック必要)

 間取り呼称については、1K・1R・DKタイプ・LDKタイプ等があります。1K・1R・1DK・1LDK(狭めのタイプ)は単身者向け、2DK・1LDK(広めのタイプ)・2LDKは新婚ファミリー向け、3DK・2LDK・3LDKは一般ファミリー向けでしょうか。大きさや使い勝手も様々なものがあり、一言で同じ間取りと簡単には言えません。3LDK以上については一戸当たりの建設費が上がってきますのでそれなりの高い家賃になってしまい、現実的には都会では賃貸住宅としてはあまり造られていません。
 一般的にはLDKは日当りの良い南側が好まれ、居室も日当りの良い南側か朝寝坊したい人向きの北側が好まれます。水周りのスペースは北側か中央部分が多いです。収納スペースが充分にあるかもしっかり確認する…不充分だと結局家具を買うことになり家具を置くことで部屋が狭くなり使い勝手も悪くなります。部屋も大きいほど良いと言うわけでもなく、15帖とか20帖の部屋にもなってしまうと冬季とても寒い思いをすることになってしまいます。部屋が大きい方が良いと言うのもほどほどの話です。
 標準的な広さはその間取りに合った使い勝手では1K・1Rで25~30㎡、1LDKで40~50㎡、2LDKで60~70㎡と言ったところでしょうか。これを大きく下回れば住みにくい住戸になりまた大きく上回れば単なる水膨れ住戸になる可能性もあります…収納が増えたり各部分が少しずつ大きくなったりして昔の物件に比べれば面積が一回り大きくなっています。巷では家賃を高くするため狭い面積で無理やりワンランク上の間取りタイプにしているものが多いので注意して部屋探しをする必要があります。
 どういう間取りタイプで探しているのか?その間取りの標準面積から大きく下回っていればそのタイプの機能は十分に果たせません。それは名ばかりの間取りタイプと言わざるを得ず住んで見てとても住みにくいことになります。誤った選択をしないためにはまず探している間取りタイプでの標準面積の物件を探せばよいと言うことなのです。そうすれば住室が狭すぎるとか収納が足りないとか機能が十分に果たせないとか言ったことを未然に防げます。間取り名称のみに囚われては失敗することになります。

居住性…住んでから気が付くのは情けない

 構造は木造・軽量鉄骨造・重量鉄骨造・鉄筋コンクリート造(RC造)に分かれます。木造・軽量鉄骨造は遮音性・防火性・耐火性に難点があります。RC造それらに優れ建物寿命も長くなります。重量鉄骨造はその中間と言った位置付けです。RC造は火災に強く他の住戸へ類焼しないよう防火区画で各住戸が囲われています。また躯体がコンクリートの為機密性が高く、換気をしないと結露が生じ易いので住み方に注意を要します。総合的に考えればRC造の建物が最も居住性が優れていると言えましょう。 
 ただしRC造なら全て安心と言う訳でもありません。例えばコンクリートのスラブ(床版)に直にクッションフロアーやビニールタイルを貼ってある床の建物がそうです。この床は真冬足が大変冷たく感じます。また気密性が高いため外壁に面する部屋内壁下地の断熱材が大事です。冬季暖房時に外気温と内気温の温度差で結露が生じ易く、外気に面する外壁の内壁下地に断熱材があることが重要です…特に北側が結露し易く要注意です。断熱材さえしっかり入っていれば結露の可能性は低くなります。
 なるべく外気に接する壁面に大きい窓が付いている建物を選ぶこと。その方が室内も明るく充分な換気もでき快適に住め健康にも良いでしょう。しかし大きい窓と言っても程度問題であまり大き過ぎる窓は逆に熱の出入りが多くなってしまうので大きいのも程々ですし北側の部屋の窓については大き過ぎると結露の心配があります。住戸の形のところでも述べましたが細長い住戸を選んでしまうと中部屋の中央辺りは薄暗く換気悪く住み心地はあまり良くないので、このことも合わせて気を付けてください。 
 天井の高さは居住性に大きく影響します。天井高は高いほうが圧迫感がなく居心地が良いものです。けれども建築工事費を圧縮するために階高(階から階までの高さ)を下げる方法が取られた場合は天井高がその犠牲となり低くなっています…コストダウン策としてよく取られる方法。快適に住むには居室の天井高は2.4m以上は欲しいものです。居室以外の天井高は配管・配線・ダクト等の通り道となっているため多少低くなっていますが、其々のスペースが小さいので圧迫感を感じず問題はありません。       
 ラーメン式RC造で柱型や梁型が室内に大きく張り出していると圧迫感を感じるので要注意です。とりわけ高層マンションでは柱・梁の断面がより大きくなるのが避けられず、狭い1Kのような部屋を高層でつくるともともと部屋自体が狭いため相当な圧迫感と使いにくさになるのであまり選びたくないものです。その点高層ではつくれませんが、壁式RC造はコンクリートの耐力壁自体で構造を支えているので、部屋内に柱・梁の出っ張りがなく室内が隅々まで広々と使え圧迫感もなく落ち着けます。
 住戸選びをする際、最上階を選ぶときは特に注意を要します。陸屋根(屋根が平らな形状のもの)の場合真夏の太陽の屋根への輻射熱で冷房の効き悪く酷暑に悩まされます。勾配屋根であれば屋根裏空気層が断熱効果となり暑さもそれなりとなり冷房の効きも良くなります。最上階を選ぶなら是非勾配屋根の建物を選んで下さい。それに一般的に人気のある住戸は中住戸より角住戸、下階より上階となっていますが、冷暖房の効率・節約を考えれば中層階の中住戸を選ぶと言うのも良い選択肢かも知れません。

住宅設備

1.電気容量
 住戸の電気容量は普通30Aとなっているものが多いですが、冷蔵庫さらにエアコンを2台以上同時に使うと安全器が作動して通電が止まりますのでアンペア数を40A以上に上げる必要がでてきます。場合によっては電化製品が多いと50Aまであげなくてはいけません。しかし、建物によっては新築時に幹線をそのように増量できるように設計してないものも結構ありますので、住戸選びの時はアンペア数を上げられるかどうかは必ず確認することが必要です。最近の一般家庭ではパソコン・大型TV等各種電化製品が増えてきている傾向が強いので、この電気容量の確認は忘れてはいけないとても大事なことです。入居してしまってからでは手遅れです。
2.エアコン
 単身者向けの住戸はエアコンは備え付けが一般的なのであまり関係ないと思いますが、それ以外の住戸についてはエアコンは入居者が自身で取り付けなくてはなりませんで注意を要します。即ちエアコンの電源・水抜き管の設置があるかどうかを必ずチェックしてください。これがないと部屋にエアコンが取り付けれません。さらに屋外機の置場も確認してください。共用廊下側の部屋で、屋外機が廊下にはみ出したりまた廊下天井に付けざるを得ずその為往来する歩行者の支障になったりする情けない建物もあります。中部屋は特に注意を払い確認してください。部屋が屋外に直接接していない状態ですと屋外機設置場所までの冷媒管の通り道と水抜き道の確保が必要です。
3.給湯器
 一般的に単身者向けは付いていませんが、ファミリー向けには給湯器に追い炊き機能が付いていますので是非確認しておく必要があります。また単身者向けは16号・ファミリー向けは20号(場合によっては24号)の給湯器が付いています。給湯器の設置場所としては一般的には場所を取られないメーターボックス内が最も多いのですが、排気場所に問題がある場合はバルコニーや外壁部分に設置してあることもあります。給湯は生活にとってとても大事な設備ですので給湯器の能力・状態は必ずチェックしておいてください。また電化住宅の場合は給湯器の代わりに電気温水器が設置してあり、温水器の容量としては単身者向け200ℓ・ファミリー向け460ℓが一般的です。電気温水器がどこにあるのかも是非確認しておいてください。
4.照明器具
 住戸内の照明設備については、必要ヶ所に明かりがちゃんと付いているかの確認と照明器具のスイッチが使い易いところに付いているかどうかも自分自身でチェックしてください。またできれば備え付けの照明器具の光源は電気代のことを考えれば蛍光灯が多いほうがより好ましいです。さらに照明器具の有無だけではなくその明るさも過不足がないかどうかの確認もしておけばベストです。
5.コンセント・TEL端子・TV端子・インターネット環境
 コンセントの位置も家具・電化製品の配置を想像してみて支障のない位置にあるのかどうかもチェックしてください。さらにTEL端子が電話を置く位置に不都合はないか、同様にTV端子・インターネット環境もテレビやパソコンの置く位置に不都合はないかチェックしておいてください。さらに年数が経った建物についてはアンテナがデジタル放送に対応してあるかどうかも確認を要します。
6.床暖房・浴室乾燥暖房機
 以前より少数派ではありますが床暖房設備の付いている賃貸住宅物件もあります。これは全体からすればかなり数は少ないと思います。床暖房設備はあれば確かに快適に住むことができますが、住み手から見て賃貸住宅に必要不可欠な設備でもなくあまり普及していません。それよりも住み易さが充実していることに重きを置いている人が多いようです。ただし浴室乾燥暖房機の方は雨天の洗濯物の乾燥に役立ちますので入居者の方々に喜ばれる為徐々に普及して来ているようです。

防犯対策

大事 最近の日本国は随分犯罪の多い国となってしまいました。毎日のように身近なところで凄惨な事件や犯罪が発生しています。年々犯行の手口も巧妙化してきているようです。一戸建て住宅への泥棒被害も一向に減る気配がありません。もちろん賃貸住宅を取り巻く環境も決して例外ではなく多くの被害が発生しているようです。できるだけ防犯性の高い安全な賃貸住宅を探さなくてはなりません。
 まず物陰がなく明るくオープンな雰囲気のするものを選んでください。境界フェンスなどは閉鎖的でない双方が丸見えのものが良いです。植栽もあまり鬱蒼と茂っていると犯罪者の隠れ場になりほどほどが良いです。車上狙い・敷地内犯罪を抑止するには死角がなく、かつ録画機能付き防犯カメラのあるものが良いです。また建物周りには歩くと大音の出る砂利を敷いてあるのが不審者を近づけません。
 共用玄関にはオートロックが付き部外者が侵入できぬようになっているのが望まれます。それから一階(地上階)部分の開口部全てのガードを固めることが肝要です。小窓には面格子、掃きだし戸には防犯ガラスかシャッター雨戸が付いていれば良いと思います。そしてアルミサッシは全て二重ロックになっていること。住戸の玄関ドアの鍵はピッキング対応でダブルロックのものが優れています。
 住戸内にあるインターホン親機についている警報音も何かの役に立つこともあるかも知れません。また首尾よく建物内部に侵入した者から身を護る為に共用部分に防犯カメラ・非常ベルなどがあれば抑止力になりベストでしょう。当然一時的に密室となるエレベーター内部・駐車場にも防犯カメラが是非付いていて欲しいものです。防犯カメラはやはり録画機能が付いているものが良いと思います。
 また二階以上と言えども決して油断はできません。二階以上の高さによじ登れるような足掛かり(近接の中高木・自転車置場屋根・受水曹・電柱・隣接建物等)がないことも必要です。また侵入者が隣家の屋根伝いにこちらの屋根やバルコニー・共用廊下に渡って来れぬかもチェックしてください。縦樋をよじ登って侵入する者もいますので、縦樋の取り付き方・形状もチェックしておくと安全です。 
 警備会社との契約のある物件は犯罪が起きてからのセーフティーネットとして役立つこととなりますが、このことはある程度犯罪抑止にも繋がります。けれども一番肝心なのは建物そのもののつくりが如何にして犯罪を起きにくくしてあるかと言うことです。さらに同じ建物に住んでいる者による犯行も起き得ますので、入居者の審査が厳しいしっかりとした管理会社の物件を選ぶことも大事です。

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