ブログ−2015年
建築業界見晴台…「この一年を振り返る」 2015年12月25日(金)
昨年の今頃も同じような話(平成27年度春に需要が冷え込む予測)が起きていましたが、実際に今年度に入ってからは意外にも様々な要因が重なった為か建築業界は忙しさが続いてきました。昨年の思惑が的中しなかったのは、消費税が5%から8%に上がる前から起きているいわゆる駆込み需要が8%になって以降も依然続いている(10%になる前に実施)のと、アベノミクスを支える為の公共投資の増大が留まらないのと日本社会の現実を無視したいびつな経済政策が大きな要因だと思われます。
しかし今年のような一般民間需要の落ち込みを救ってくれるような救世主はもう現われない気がします。消費税が10%になる前にと余裕のある企業が設備投資をし続けてきたのも消費税10%を目前にしてそろそろピークダウンとなりそうです。またインフレ政策を支える借金頼みの公共投資も息切れの様相です。また諸外国の発展に依存する外需頼みの景気回復や国内型産業・国民生活の軽視と言ったいびつな経済政策を強行するためのさまざまなごまかしもそろそろメッキが剥がれそうです。
とうとう人口減少が始まってしまいました。国民(庶民)の暮らしを軽視し続けてきた結果が少子高齢化と言う社会現象となって表れてきたのです。今の建築業界のような人の足元を見て値段を吊り上げるようなやり方は納得できませんが、この人口減少下でもはや人手不足は建設業だけの問題ではなく日本国全体のすべての分野で発生しているようです。人口が減って行く日本ではこれまでやってきた社会や経済では成り立ちません。今こそ国民(庶民)の暮らしを守る大胆な改革が必要です。
久里屋設計界隈散策−その89 地下鉄上社駅 2015年12月11日(金)
久里屋設計界隈散策−その88 名東区役所 2015年11月27日(金)
久里屋設計界隈散策−その87 大森寺 2015年11月13日(金)
久里屋設計界隈散策−その86 蝮ケ池龍神社 2015年10月30日(金)
久里屋設計設計界隈散策−その85 蝮ケ池八幡宮 2015年10月16日(金)
久里屋設計界隈散策−その84 東山給水塔 2015年10月2日(金)
久里屋設計設計界隈散策−その83 山神社 2015年9月18日(金)
久里屋設計界隈散策−その82 日泰寺 2015年9月4日(金)
賃貸住宅見晴台…急減続く新築RC造賃貸住宅 2015年8月21日(金)
近年若者の職人離れと職人の高齢化が拡がり職人の絶対数が減少してきていました。そしてリーマンショックによる影響で建設業離れに拍車がかかりました。そんなところへ政府による不用意な建設需要の増大が主に型枠大工・鉄筋工の確保を難しくし他の職種の職人不足へも飛び火して行きました。建設業お荷物論まで発してそんなに雇用を維持する必要はないと言っておきながら、口先が乾くか乾かないうちに不用意に建設需要を煽るなんて何を考えているのかさっぱり理解できません。
消費税増税・円安の影響で諸物価が上がっている最中ですが、これらの物価高をも尻目に突出した建築工事費の上昇をもたらしました。RC造・S造はアベノミクス前の建築工事費の1.4〜1.5倍もの値段になっています。諸物価が上がっても一般消費者の賃金は上がっておらず国内消費は低迷状態を脱せません。当然のことですが、理由が如何にせよ極端に上がった建築工事にも一般の国民はそっぽを向いてしまいました。その結果RC造の賃貸住宅を建てる人がめっきり減ってしまいました。
今年一月から相続税が厳しくなり、これに呼応するかのように量産系(木造・軽量鉄骨造系)の賃貸住宅の着工が(戸建住宅の着工減少とは裏腹に)増えています。経験豊富なベテランのオーナーさんは苦い体験もありますのでそううまい話には簡単にひっかかりませんでした。しかし相続により世代交代した未経験の地主さんが増えていますのでうまい話に乗せられているのでは…ますます量産系の賃貸住宅が供給過剰となり反面非量産系の築浅RC造賃貸住宅が不足した状態が拡がっています。
久里屋設計界隈散策−その81 桃厳寺 2015年8月7日(金)
久里屋設計界隈散策−その80 旧昭和塾堂 2015年7月24日(金)
久里屋設計界隈散策−その79 城山神社 2015年7月10日(金)
久里屋設計界隈散策−その78 正法寺 2015年6月26日(金)
久里屋設計界隈散策−その77 善篤寺 2015年6月12日(金)
久里屋設計界隈散策−その76 相応寺 2015年5月29日(金)
建築業界見晴台…「聞こえてきた建築業変調の兆し」 2015年5月15日(金)
いまだに建築請負単価が高止まりのままです。消費税増税の駈込み需要で始まった経済波乱がいまだ沈静化せず、生活物価上昇下のもと庶民の所得目減りが拡大し倹約ムードが広がっています。強引な円安誘導・消費税増税政策により庶民の生活は困窮状態のままです。メディアでは一部輸出型製造業が儲かっているとか株価が最高値を更新しているとかで景気は回復していると伝えられていますが巷の庶民の会話ではその話を真に受けて景気が良いと言う話をする人には殆ど遭遇しません。
アベノミクス正当化の為に日銀が日本国債を際限なく買い支え、また株価吊り上げの非常手段も駆使し続けています。さらに景気の腰折れを起こさぬ為の公共工事の惜しみない発注も続いています。住宅着工を増やすためフルローン復活・超低金利での長期住宅ローンの誘導もなりふり構わず行われ金融機関も困惑しています。さらに1000兆円を超える借金を抱えオリンピック招致やリニア新幹線工事着工もしてしまいました。庶民感覚では絶句するようなことが次から次へと行われています。
なるほど震災復興・オリンピック・リニア新幹線・大型再開発工事等の大型需要が目白押しで職人不足かもしれませんが、これらの需要だけにより建設業全体でパニックが持続すると言う説明は素直に納得できません。建築工事費高騰のあおりで一般民間工事の受注が激減し平成27年度の新規民間物件が一向に取れないとの悲鳴がスーパーゼネコン・準大手建設会社以外の地元建設会社から聞こえています。今年に入って4月以降その傾向が一段と鮮明になってきて営業最前線では心配の種です。
いよいよ建築市況に変調が現れたとの新聞記事も掲載されました。アベノミクスを援護射撃する公共工事発注も雲行きが怪しげです。今までの経験からするとメディアに出た時には既に事態が深刻化し実態のほうがかなり先行していたことが多かったので今回もそうなっているのではないかと言う懸念があります。1991年に始まっていたバブル崩壊も実際に表面化したのは1〜2年後になってからでした。今回もすでに景気は悪くなっていてすぐそこに断崖絶壁が待ち構えていそうな気がします。